高級分譲マンションか分譲住宅か

内観イメージ

単純な生活環境の質の向上を考えると、最近であってもやはり一戸建て住宅の方が人気が根強いかと思います。

集合住宅という点で、どうしても上下左右などの隣室の影響などを全く気にしないで済むというのは、高級分譲マンションであっても難しいです。

ところが、不動産としての資産価値という点も含めると、高級分譲マンションと一戸建てどちらを選ぶのかは少し複雑になってきます。

実際、需要も高いので近年は特に都心部のマンションを中心として、価格自体も一戸建てと変わらないくらいまで上がってきています。

費用面や資産価値を比較するポイントは?

その為、昔のように一概に、マンションは安価で一戸建ては高価。とはいえません。

しかし、そもそも住居は高額な買い物になりますから、シビアに費用面は比較していきたいところでしょう。

そこで比較するポイントを簡単にまとめてみました。

基本的にマンションでも戸建てでもかかる費用として、以下が挙げられます。

  • 印紙代(契約書の)
  • 登記費用
  • 保証料、融資手数料(融資の際)
  • 担保設定費用(融資の際)
  • 火災保険料
    税金

  • 固定資産税
  • 固定資産税評価額×1.4%

  • 都市計画税
  • 固定資産税評価額×上限税率0.3%

  • 不動産取得税
  • 固定資産税評価額×税率4%

売主との直接売買契約ではなく、業者などを仲介して契約した場合は、仲介手数料(物件価格×3%+6万円税抜 ほど)もかかります。

税金は毎年1月1日時点で不動産を所有している場合に課税されます。

ちなみに、固定資産税評価額とは各市町村が土地や住宅などを固定資産評価基準に基づいて決められる金額です。
土地の場合は、場所はどこか、形や面積、接道の様子などが評価額を左右します。
住宅の場合は、大きさや構造に加え、築年数によって金額が変わってきます。

居住年数とランニングコスト、資産価値を考える

資産

価格がほぼ同じマンションと一戸建てで迷っているのであれば、何年住み続けるか?という点を考えます。

出来るだけ購入した住居に長く居住したい。と思っている場合は、新築の一戸建ての方が費用や資産的におすすめです。

というのは、マンションの場合、維持費(修繕積立金)や管理費、駐車場代などのランニングコストが毎月かかってきます。

その分、ごみの処理や共有部の清掃、修繕などは必要な際に管理会社が代わりに適度に行います。

ところが、購入後も毎月それらの支出が続くので、最初に購入してから一般的に10年ほどは住居にかかるお金が出ない戸建てと比較すると、費用負担が大きく感じるでしょう。

また、仮に修繕などが必要になった際に、戸建ての場合はどのくらいの補修をするか?などをご自身やご家族のさじ加減である程度の金額を決められます。

マンションの場合は、どこにどのくらいの費用をかけた修繕や補修をするかは、一世帯の一存では決められないので、そういう点でも費用面で不自由を感じる方は少なくありません。

資産価値については、マンションも一戸建ても築年数が経つほど下がる点は同じですが、建物の価格と土地価格の下がり方が違ってきます。

建物の価格は戸建ての場合、30年ほどを目途にマンションと比較して早く価値が下がります。
マンションの場合は、耐用年数が長い分それと比較すると、建物価格の低下は緩やかであることが多いです。

ただし、土地については、戸建ての方が一定の資産価値が保たれ、マンションの方は1戸あたりの所有土地価格がそもそも低くなっています。
そのため、マンションの場合、長く住み建物の老朽化が進んでしまうと価値が著しく下がってしまう点に注意が必要です。

数年ほどで住み替えを考えている場合などは、立地の良い高級マンションやタワーマンションの方が、資産価値としての収入が見込めることがあります。

例えば、マンションの付近が数年単位で再開発などが進み、住み始めた頃よりも利便性が良くなったことで土地価格も上がっているような場合、次の買い手に最初に購入した金額よりも高い金額でマンションを売れる可能性があります。

住宅の場合も、立地による価値の変動は同じような事がいえるでしょう。

設備やデザインを好みに合わせるなら?

最近はオプション変更などにより、マンションでもキッチンや浴室など含む設備や屋内のデザインなどを選ぶことが出来ます。

ただし、有料オプションになることが多く、用意されている選択肢の範囲外はなかなか変更は難しいです。

その点、分譲住宅の場合、竣工前の建築条件付き土地として売りに出されている時であれば、マンションに比べて自由がきく場合があります。

家の階数を変えたり、地下やロフトなどを足すという変更は難しいですが、それ以外の間取りや設備、内観の細かい所は融通が利く可能性が高いです。

また、設計の大枠はすでに売主の方で決めている事が多いので、一から注文住宅として建てるよりも打合せなどに時間をとられずに済むといえます。

マンションと戸建てどちらがお得かは地域によっても違う!

都会

首都圏の場合は、いざ建売を購入したり、注文住宅で建てたりしようと思っても、土地自体が少なく市場にあまり出回っていない事が多いです。

その為、土地代が高めにつき易く、予算を出したわりに家そのものには不満が残る…といったケースが少なくありません。

すると、同じ金額を出すのであれば、マンションを購入した方が良い設備などが揃う場合が実際にあります。

また、何かのタイミングで売ることを考えた際も、後者の方が首都圏では早く売りやすいです。

というのは、転勤などで人の入れ替わりが多く、引っ越しや買い替えの機会が都心部の場合多いといえます。

逆に、郊外の場合はそれなりに広い土地があり、建売でも間取りが広いものだったり、注文の場合は家の様々な部分にこだわることが出来る場合が多いです。

また、近年の空き家問題の為に、土地が浮いて残っている地域などは土地代が抑えられ、首都圏で建売や注文住宅を購入するよりも、予算が低く済む場合もあります。

では、郊外のマンションの場合はどうか?というと、基本的に立地が良くないマンションはおすすめしません。

マンションも住宅同様、都心部と価格を比較すると安価になりますが、郊外に建っている場合は人口が減った際のリスクが高いです。


マンションにも一戸建てにも、それぞれメリットがありますし、費用についてもお客様のお住まいの状況によってどちらが良いかは変わってきます。

また、家計の状況と支払いのタイミングにおいて無理がないように考える。というのは大事なことでしょう。

そのあたりを踏まえた上で、資産価値などがどうかというのは専門家にも相談しながら、決めていくことをおすすめします。